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カサンドラは健忘症

離婚、そしてうつ病に。離島に流れてセカンドライフの健忘録です。

高齢者の涙

夜勤明けで

郵便局に行ったら

見守り支援対象の認知症

おばあちゃんがきた。

 

認知症といっても普通に会話できるし

食事も自分で作って

シルバーカーも運転して

畑作業もしている方で

 

施設に世話になるほどではないので

島の人たちで見守っているのだ。

とくに今は旦那さんが検査入院で

島を離れているので

毎日誰かが家に訪問している。

 

そのおばあちゃんが

「いま下ろしたお金の入った袋を

どこかに落とした!」といって

駆け込んできたのだ。

 

数万円と通帳、印鑑をいれた大事な袋だ。

 

本人よりも周りが焦り、

郵便局の人、居合わせた私(時々訪問もしている)

看護師、近所の人らで

探し回った。

 

道中や部屋の中、外、

落としそうな場所、

置き忘れそうなところ、など。

 

10分くらい探したであろうか…

 

私が外にいた時に

部屋の中から「あったよ」という声がした。

 

あ〜よかった!

ホッとして部屋の中に入ると

看護師が「金庫の中に入れてたのよ」と。

「大事なものだもんね、金庫にいれるよね」と

見つかったことを喜び

そうか、探す選択肢が金庫というのもあるのね、と

一つ覚えた、と私も安堵した。

 

おばあちゃんも、ホッとしたであろうと

顔をみると、ポロポロ涙を流していた。

 

あれ、なんで…

 

表情は読めなかったが

嬉しくて泣いてるのではないのは分かった

 

 

 

一瞬困惑したが、かける言葉にまよい

「よかった、よかった、また来るね」

と肩にポンと手を触れ、部屋を出た。

 

おばあちゃんは、メガネを外し

なおも流れる涙をぬぐっていた。

 

自分の部屋に帰る道中

私もどんどん涙が出てきた。

なんの涙かわからない。

 

部屋に入ってからも

涙が止まらなかった。